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リテラシーラボラトリ

リテラシーを考える

つくつぐ思う。自分は天才ではなく、凡人なんだと。

僕はいわゆる「天才」に強い憧れを抱きやすい。それは世間で騒がれる一流スポーツ選手やアーティスト、エンジニアや経営者たちのことだ。僕は活躍する彼らをネットやテレビで見るたびに、「自分もかくありたい」「ああなるためにはどうすればよいのだろう」と思っていた。自分も「天才」になれる、そう思っていた。


しかし、それが苦しみの始まりであることに最近気がついた。「『天才』になれる」という言ってみれば自惚れが、自分を一番苦しめているんじゃないだろうか。「どうして自分は彼らと同じようになれないのか」「なんでこれだけやっているのに、あの人のように出来ないのか」これらすべての苦しみは、「自分も『天才』になれる」という思いから生まれている。そして同時に、自分は「天才」になれると自惚れていた凡人であることが分かったのだった。



凡人たる僕は、「天才」に強い憧れをいだき、そうなれると信じ、そうなろうともがく。しかし、周りに振り回され、集中力が途切れ、最終的にはアキラめ、努力を止めてしまう。だが、「天才」は違う。「天才」は凡人と同じように強い憧れをもつが、その後の努力および行動は凡人の比ではない。そして彼らにとって、その努力は苦ではない。だから、「天才」は努力を止めない。いや止まらないのだろう。結果、彼らは必然的に「天才」になるのだ。つまり初期能力の高さゆえの「天才」ではない、ということ。異常なまでの好奇心・やる気がある故に「天才」なのだ、と。だから僕は、どんなにバカなやつでも、一つのことに没頭できる人間は「天才」と呼んでいる。


その点において、僕は「天才」ではない。三日三晩時を忘れて飯も食わずに、一つのことを取り組んだことなんて、生涯一度もない。一時の憧れをもち、そういうことをしてみようとしたことはある。しかし、集中力は続いて3時間。やろうとしても、出来ないのである。やっている間に他の情報がとんでくるとそちらに飛んでしまう。あれもやりたい、これもやりたい、それもやりたい、で集中力が散漫になるのだ。僕はこれを自分の怠慢と思い、変えられるものだと信じていた。が、これは凡人の性質であり、そうそう変えられないものだと分かった。変えられるなら、その人は「天才」なんだ。


「天才」ではない僕、そして凡人である僕だが、絶望は全然していない。むしろすごく気が楽になったと感じている。それは凡人にしか出来ない素晴らしい生き方がある、からだ。


「天才」はその尋常ならざる努力により素晴らしい功績を残す事ができる反面、欠点がある。それは「凡人」の気持ちを理解できない、ということだ。凡人が何を考え、何に苦しみ、何に迷っているのか。彼らには「天才」ゆえ理解できない。凡人が考えていることを見たり聞いたりしても、情報としては認識することはできても、実感することはない。だから、1つのことに集中できない凡人に向かって「そんなのやるだけじゃないか」と言ってしまう。もちろん別にそのこと自体は間違いではない。むしろ正しい。ただ凡人に対する言葉としては不適切である。凡人は言われたとおりにやろうとして、出来ずに苦しんでいてる。そして継続することが出来ずに苦しむ凡人を見て、天才は理解が出来ず、苦しむ。そこに不和が生まれ、互いに苦しむことになっているのが、あらゆるところで見受けられる。


反対に凡人は、天才にはなれずとも、凡人故に彼らの気持ちがよく分かる。やりたくても出来ない彼らを、怠けることしか考えていない彼らを、分かってあげられる。そういう意味で凡人ほど凡人への接し方についてプロフェッショナルになれるんじゃないか、と。だから、「出来ないことに悩んる人にどうアドバイスをするか」「やる気がない人をどう教育するか」「一般人がそのアプリをどう使って、どう感じるか」こういったどこの企業や組織でも抱えている問題は、凡人にしか解決できないのだ。天才には天才の教育や、天才にウケるサービスをつくることはできても、対凡人には難しいじゃないか、と僕は思ってる。(もちろんアタることはあるんだろうけど、その確立は低いだろう)


結局言いたいことは、「天才がよくて、凡人はわるい」のではない。「天才でもいいし、凡人でもいい」これが正解、なんじゃないだろうか。そしてその「天才」「凡人」は他人によって決められるものではない。あくまで自分の判断で決めるものだ。もしかしたら途中で認識が変わることもあるだろう。それでいいんだ。大いに悩んで苦しんで、決めていけばいい。つまるところ、天才だろうが、凡人だろうが、関係ない。自分に合った生き方をすればいい。ただそれだけのことなんじゃないか。


だから、「天才」になれず苦しんでいる多くの人に、僕は言ってあげたい。



凡人でいいんだよ、と。

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